とらさぶろぐ

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新製品の開封をレポートする「開封の儀」を理解することができない

Box of fresh picked apples

6月はAppleより新製品が発表される時期です。 日本時間の6月14日深夜、Appleの開発者イベント「WWDC 2016」にて新しいMacやMacOS、iOSなどが発表されることが予想されています。 そして、WWDCで発表された製品は遠くない未来に販売されることになるでしょう。

すると、発表された新製品の後日手に入れた人達が開封の儀と称してパッケージを開梱する様子をブログや動画で公開するというのが世の常になっています。

私はこの開封の儀をする人たちの気持ちが理解できません。 一体全体製品を開封することの何が面白いのでしょうか?

開封の儀とは

d.hatena.ne.jp

1.正倉院が毎秋行う「宝物の扉にある勅封(天皇が署名した封印)を勅使が解く」儀式。

2.パソコン、携帯電話、家庭用ゲーム機といった品物を開封する事。また、その様子を映した動画。海外では"Unboxing"と呼ばれる。購入者の実感、製品が動作するまでの手順などのほか、製品の不具合まで把握出来ることもあるため、広告価値も高い。開封の儀を真似た広告映像を作る企業も増えている。

本記事の言わんとする開封の儀は当然2番目のことについてです。

詳細な製品のレビューはなく、ただただ箱を開けて梱包について長々と講釈を垂れるというだけしかしません。 よくて、電源を入れてちょっと動かしてみる程度です。

所詮消耗品でしょ?

Brush your teeth

iPhoneやMacなどの開封の儀をする対象って、言ってしまえば歯ブラシやトイレットペーパーと同じ日用品や消耗品の範疇じゃないですか? なくては生活が不便になって困ります。でも、あったからといって崇め奉るようなものではありませんよね。

飾ることで日常に色を添える美術品でも、信仰対象のご神体として崇め奉るものでもないものを、わざわざ仰々しく開封する様子を儀式のように執り行うことに私は異様さを覚えます。

普通はそうでないかも

MacBook

でも、こういう感覚はiPhoneやMacのようなものを日用品として頻繁に利用することに由来しているのかもしれません。 私と同じように開封の儀に違和感を覚える人には、日常的に電子機器に触れる機会が多い人が多いでしょう。

iPhoneやMac、それらに限らずコンピューターの類ってのは結構値が張る物、Macともなるとウン十万円ほどします。 これらを仕事に利用する人、趣味の中で多用する人にとっては無くてはならないツールなので、高価でも購入せざるを得ません。その代わり利用頻度は高いでしょう。

ですが、そうでない普通の人にとってはその限りではありません。 利用頻度がそう多くないものにウン十万円なんてお金を出すのは、清水の舞台から飛び降りるほどの覚悟がいるでしょう。 だからこそ、特別な機械を買う特別な機会を記録しておきたい。 その結果が開封の儀となったのでしょう。

また、iPhoneやMacはデザインも評価されていることもあり、美しい物を飾っておきたい心理なのかもしれません。 最近はデザインを重視した美しいフォルムも売りにしている機器が多いですし、私がいくら嫌がろうと開封の儀を執り行うユーザーは後を絶たないでしょうね。