ロードバイクに乗って何をすると問われると、多くがロングライドと答えるでしょう。
距離は人によって様々ですが、慣れた人になると平気で100kmや200kmは走りますし、中には数日間ずっと自転車に乗りっぱなしで更に長い距離を走るなんて人も。 レースのように誰かと競うことなく、マイペースで気軽に走れる種目ですね。
こんな気軽さがウリのロングライドですが、どうやら私はロングライドが好きじゃないようです。
ロングライドに関して魅力的な記事が書けない
ロングライドが好きじゃない、そう思ったのは他のブロガーさんのロングライド記事を読んだのがきっかけです。 ブロガーさんの中には自転車趣味の方も少なくなく、そういった方々は自分の走ったコースをレポートした記事をアップしてきます。
特に後者のサキさんは私と同じくビワイチを走った記事を書いていますね。
こちらがうちのビワイチ記事。
見比べると分かりますが、うちの記事は事実だけをあっさり書き並べているだけで魅力がないですね。 記事を読む人にすごいと思わせたり、走ってみたいと情熱を掻き立てるパワーがない。
これは文才がないとかそういう以前の、私自身がロングライド記事を書くにあたって情熱がこもっていない、情熱を込められないことが原因でしょう。 多分文才があっても、いくら時間をかけても上に挙げた記事以上のものは書けないでしょう。
つまり、私にとってのロングライドは情熱をこめるほど好きでないものということです。
ロングライドが好きになれない理由
思い返すとロングライドに対するネガティブな感情はいつくかありましたね。
時間がかかる
ロングライドは時間がかかります。 とにかく時間がかかります。 それはつまり、貴重な休日の時間を浪費することでもあります。
距離、速さ、時間の関係は小学校時代に「キティちゃんは痔」の語呂合わせで覚えたり、たかしくんが人間をやめたスピードで移動したりする問題などでご存知でしょうが、
のとおりです。
ロングライドはその名の通り距離がロングなライドなので、「距離」の値が200kmだったり300kmだったりと大きくなります。 上の式の通り、「距離」の値が大きければそこから導かれる「時間」の値も大きくなる、つまり時間がかかるということがわかります。
だったら「速さ」の値を大きく、つまりスピードを出せばいいじゃんとも思うでしょうが、残念ながらそうもいきません。
ロングライドは競技場のトラックを周回し続けるのではなく、公道を走るのが普通です。 なので、交通ルールをしっかり守って走る必要があります。 信号があれば止まりますし、道路標識にも従います。
加えて、ロードバイクで走るということは運動しているということ。 途中でぶっ倒れないためにも休憩と補給も欠かせません。 グランツールを走るトップ中のトップの選手ですらレース中に補給しているのですから、我々一般サイクリストに補給が不要なんてことはあり得ません。
交通ルールを守ったり、補給や休憩を含めた場合の移動速度は、おおよそ時速20km前後ほどになるでしょう。 コースや時間帯、渋滞状況によっても多少前後しますが、どんなに早く走る能力があっても公道を走る限りはこれ以上早くなりません。
「速さ」がほぼ一定値である以上、「距離」が大きくなればそれだけ「時間」は大きくなる。 つまり、ロングライドはとても時間がかかるのです。
危険がいっぱい
自転車に乗って遠出するロングライドでは公道を走るのが普通です。と言うか避けられません。 それは一般道かサイクリングロードかは目的地によって違いますが、どちらにしてもおっかなびっくり走ることには変わりありません。
一般道の場合、自転車は車道左側の端の方を通行することになりますが、車道の端の方は実は危険がいっぱいです。
- 自転車が踏むとパンクを引き起こす何かの破片
- 多くの自動車が通行したことでできるアスファルトの轍
- 踏むとパンクしたり転倒のおそれがあるひび割れ、段差、キャッツアイ
- 道行く自動車(特に大型車両)
サイクリングロードだと一般道のような危険は少ないでしょう。 ですが、サイクリングロードは自治体によって一般道で行われるようなメンテナンスが行き届いていないこともあり、パンクを引き起こす道路のひび割れや段差などの危険有害要因はむしろ一般道よりも多い場合もあります。
そんなわけで、自転車に優しくない日本の道路事情下では公道を走る場合は事故に合わないように常に気を配って走らないとなのですが、そんなのを何時間も十何時間も続けるのはひどく大変です。
不完全燃焼
ロングライドは長距離を長時間かけて走ります。 そのため極力疲労を抑えるように走るので、目的地にたどり着いたとしても足が余っていることが多いです。
足が尽き、体力が尽きてもなお、気合と根性で成し遂げたロングライドはそれこそ達成感があるでしょう。 でも、そうでなければ燃え尽きずにくすぶったままの、不完全燃焼状態の気持ちが残ってしまいます。
なら、もっと長い距離を走ればいいんじゃないかと思う思いますが、前述の通り長い距離を走るにはそれなりの時間がかかります。 そして、そんな時間を捻出するのはフランスのバカンス制度のような長期休暇がない日本人にはとても辛いことです。
私の場合、1日や2日ほどの休みで走れるような距離では既に満足できなくなってしまいました。 でも、たとえ自由に使える長期休暇があったとしても、「そこまでして走るものでもなぁ」と思ってしまうものです。
ライバルがいない
ロングライドは速さを競うものではありません。 どんなに走るのが遅くても、無事に目的地までたどり着ければいいのです。
なので、ライバルはいません。 ゴールすれば全員が勝者です。 学校教育でも競争に否定的な現代社会、そういったロングライドの精神は時代にあっているのかもしれません。
ですが、私はそういうのが面白くありません。 互いに競い合ったり、はるか先でゴールラインを過ぎる選手の背中を目指したりするほうが面白いです。 その方がローラー台にまたがるモチベーションも湧くと言うものです。
ただ、世の中にはロングライドといっても完走すら困難と言われるようなコースも、オフロードを中心にあるみたいですね。 そういったロングライド、もといレースには興味があります。
みんな違って、みんないい
ここまで、ロングライドに対して否定的なことばかり書いてきましたが、別にロングライドそのものを憎んでいるほど嫌いとかそういうことはないですよ。
自転車に乗る目的は人それぞれです。 健康増進のために自転車に乗ってロングライドするのも、気の向くままに見知らぬ場所に赴くのも、それが楽しいならいいと思います。
ただ私にはそれらがマッチングしなかっただけということです。 私はロングライドでゆっくりまったり走るよりも、時速40kmで爆走したり、他の選手に体当たりしたりされたり、時には思いっきりすっころんだりするのが楽しい、ただそれだけです。
それと、ロングライド自体はやらないわけではありません。 長距離を実際に走るのはちゃんとトレーニングになります。 事実、短距離のみを走る競輪選手ですら、該当練習と称して長距離走行を練習メニューに取り入れています。 私とて自転車競技に従事するものとして、ここで書いたようなことを言い訳とせず、しっかりと走り込みを行いたいと思います。
でも、ろんぐらいだぁす!は好きですよ
あっ、そうだ(唐突)
ロングライドをメインに扱っている漫画に、「ろんぐらいだぁす!」と言うものがありますよ。 ありますよとか白々しいこと言っていますが、自転車関係のコンテンツと言うことでちゃっかりチェックしています。 チェックしているどころか、作中キャラが着ているものと同じデザインのジャージを持っているほどにはお気に入りです。たまに着ています。
アニメもやっているらしいので、ろんぐらいだぁす!をきっかけに知られざる自転車の世界に触れてみたり、清水の舞台から飛び降りるつもりでロードバイクを購入してロングライドに出かけて見るのもいいかもしれません。
もし、うっかりロードバイクが欲しくなってしまった時は以下の記事も参考にしてみてください。 私としてはスポーツ自転車初心者には純粋に舗装道のみを走るロードバイクよりも、ちょっと荒れた路面や未舗装道も難なく走れるシクロクロスやグラベルに分類されるスポーツ自転車の方がオススメです。