いつかはロードバイクデビューしてみたい。
そう悩んでいるならば、一念発起して今すぐにでもロードバイクデビューしてしまうのもアリです。
そうは言ってもロードバイクは値段も様々、性能も様々。 それに安くはない買い物になるので、長年の経験者でもどれにしようか悩んでしまうもの。 ロードバイクデビューを考えている人にとってはなおさらでしょう。
私の考えでは、ロードバイクデビューの1台目にはシクロクロスバイクという種類の自転車をおすすめします。
シクロクロスバイクとは
シクロクロスバイク(以下、シクロクロス)を一言で言ってしまうと「オフロードも走れるロードバイク」です。 そのため、オフロードを走ってもトラブルが起こらないような設計がなされています。
もちろんオフロード専用ではないので、普通に舗装道も走れます。 しかも、その走行性能はロードバイクと同等、厳密にはロードバイクの方が若干優っていますが、その性能差なんて微々たるものです。
ロードバイクは舗装道特化自転車、シクロクロスはどこでも走れる万能バイクってイメージを持っていただけたらと思います。
初心者にシクロクロスをおすすめする理由
ロードバイク乗りでもある私がシクロクロスを推す理由は以下の5つです。
理由1:ブレーキが効く
ロードバイクデビューした人がまず思うのは、今まで乗っていた自転車よりもブレーキが効きにくいことです。 ロードバイクのブレーキは一般的な自転車よりも高性能なものが付いているのですが、いかんせんロードバイクはスピードが出るのでブレーキが効きにくいと感じてしまうのです。
シクロクロスにはディスクブレーキがついています。 ディスクブレーキは自動二輪に付いているものと同じブレーキです。 その制動力は普通の自転車のようにホイールのリムを抑えてブレーキをかけるリムブレーキとは効きが違います。
また、雨が降っていると自転車のブレーキは効かなくなります。 雨で濡れた地面を走ることでリムが濡れることで、自転車のブレーキは簡単に制動力を失ってしまいます。
日本の年間降水量は世界平均の2倍、つまり雨が多い地域。よって、雨の中で自転車に乗ることもしばしばあるのです。 また、最近多いゲリラ豪雨に遭遇してしまった場合、ブレーキが効かなくなった自転車に恐る恐る乗らなければならないこともあるでしょう。
でも、ディスクブレーキなら雨の日でも安心。その制動力が落ちることはありません。 なにせ、雨で濡れた地面を走ってもブレーキディスクまではびしょびしょになりませんから。
ブレーキ一つでもシクロクロスを選ぶべき理由になりえます。
理由2:悪路だらけの日本の道でも問題なし
日本の道路は自転車に向いていません。
自転車は道路の端を走行するものですが、その道路の端はひび割れてガタガタだったり、コンクリートがうねっていたり、砂利や破片が落ちていたりで、自転車にとっては悪路そのものです。 こんなところをロードバイクで走ったらパンクするのも無理はありません。
ですが、悪路に強いシクロクロスならこういった悪条件でもロードバイクより走りやすいです。
日本の道路事情を改善するには時間がかかります。 だったら、ただただ改善を待つよりも、悪条件をものともしないシクロクロスを選ぶべきです。
理由3:タイヤを変えるだけでロードバイクになる
ロードバイクといえばスラっとした細いタイヤが特徴です。 そのフォルムに憧れている方もいるでしょう。
一方、シクロクロスについてくるタイヤはゴッツいブロックタイヤ。 オフロードを走る自転車だからこその装備ですが、なんだか野暮ったいですね。
ですが、シクロクロスもタイヤを細いものに履き替えればロードバイクのそれに早変わりです。 シクロクロスはロードバイクの機材をそのまま使えます。 タイヤ一つ*1交換すれば、ロードバイクが持つ舗装道での軽快さを得ることも可能です。
ちなみにロードバイクにシクロクロスのタイヤを履かせることはできません。ロードバイクのフレームには太すぎるので。 ロードバイクはこういうところで小回りは効かないんですよ。
走る場所に合わせてセッティングを切り替えられる対応力はシクロクロスならではです。
理由4:2台目を買っても1台目が生きる
シクロクロスにしばらく乗っていると、自分が進みたい方向性が見えてきます。 その中で新しいロードバイクを買いたいと考えてしまうはず・・・いや遅かれ早かれ考えます!
2台目にはフルカーボンの超軽量ロードバイクが欲しくなるかもしれません。 または、シクロクロスの世界に魅せられてよりハイグレードなシクロクロスが欲しくなるかもしれません。
ですが、1台目にシクロクロスを選択しておけば、どちらの道を選んだとしても1台目のシクロクロスがお払い箱になることはありません。
2台目が超軽量ロードバイクの場合、舗装道はロードバイク、オフロードはシクロクロスと使い分けができます。
2台目もシクロクロスの場合は1台目がいらない子になると思うかもですが、そんなことはありません。 シクロクロスのレースでは機材交換が認められているので、1台目がそのままスペアバイクになります。 スペアバイクがあればメカトラブル時の交換はもちろん、セッティングを変えた2台を用意して状況によって乗り換える対応が取れます。
最初にシクロクロスを選べば、後々の自転車ライフに無駄がありません。
理由5:冬季オリンピック競技になりそう
もしかしたらシクロクロスが冬季オリンピック競技になるかもしれない? そんな記事を見つけました。
今からシクロクロスに乗っていれば、シクロクロスがオリンピック競技化した時期にシクロクロスに乗り始めた人の先を往くことができます。 にわか扱いされることなんてありません。
欠点:ロードバイクよりも高くなる
シクロクロスは本格的な競技用の自転車という側面がありますので、グレードの高いパーツが付いています。 そのため、街乗りやエクササイズを想定しているロードバイク初心者をターゲットにした自転車よりも高くなります。
こればかりはどうしようもないので、シクロクロス選ぶからには覚悟しましょう。 むしろ、ハイグレードなパーツが付いていることをモチベーションにしてください。 大枚をはたいてシクロクロスを買ったからには乗らざるをえないという状況を作り出すのもアリですよ。
自転車屋さんで相談すれば、パーツのグレードを下げて予算内に収めてもらえるかもしれませんので、交渉してみるのも一案です。
これからシクロクロスを始めるあなたへ
私もシクロクロスを始めるのにあたって、いくつか候補を見繕いました。 こんな一覧を用意しています。
(追記)
こっちは上の記事を書いた一年後に書いた、レースを勝ち抜くためのシクロクロスバイク&便利グッズ集。
合わせてお読みください。
それでは皆様の華々しいシクロクロスデビューをお待ちしております。
安全運転のためにヘルメットもお忘れなく。
*1:厳密には前後合わせて2つ