NHKで特集されたこともあり、認知度が飛躍的に上昇したミニマリスト。
改めてミニマリストについて調べてみると、彼らは過ごしやすさを求めて物を減らしたのではなく、物を捨てるという手段そのものに囚われているように感じた。
これには気持ち悪いというより、むしろ恐怖すらも感じる。
いったい何が彼らを持たざるものに仕立てようとしているのか。私にはわからない。
ミニマリストは現代のインフラなしには生きられない
ミニマリストは物を持たないがゆえに、自然と自分以外の誰かの力を頼ることになる。
生活から一切の無駄を排除した結果、バッファがなくなりちょっとした例外でも対応が難しくなる。
そして、ミニマリストは災害に弱い。絶対に弱い。
備蓄がない彼らは災害時に自分の力で生存するのは難しい。
救援物資を我先にと奪い合う姿が容易に予見できる。
社会に甘え続けなければ生きていけない、それがミニマリストだ。
日本人はもっと甘えてもいい
ちょっと待ってほしい。他人に甘えるというのは本当にいけないことなのだろうか。
むしろ、日本人はなんでも自分の力で解決しようとするあまり、互いに手を取り合うことを忘れてきているのではないだろうか。
近年、他人に対して無寛容な日本人が増えている。
以前までは許されていた行為が、今ではルール違反だマナー違反だと批判の対象にまでなってしまっている。
甘えを許さない社会は張り詰めた空気を作り出し、人々の心を蝕んでいく。
ミニマリストでない普通の人だって、誰かに頼って生きている。
ゴミを処理場に持っていくのは誰か?道路を直すのは?水道は?電気は?
我々の当たり前といってもいい豊かさ生活は公共サービスによって保たれている。
誰しもが一人で生きているわけではない。
物を持たないなら、人とのつながりを保つ
誰かに頼ることが前提のミニマリストなら、普段から誰かを助けておけばいい。
助ける対象は自分の周りに住んでいる人々だ。
普段から地域に貢献していれば、ミニマリストが窮地に陥ったとしても手を差し伸べてくれるだろう。
人は助け合い、弱者も救うことで食物連鎖の頂点にまで上り詰めた。
ミニマリストは物を捨てても、人との繋がりを切り捨ててはいけないのだ。
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